探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.66【山岳連盟「読図講習」リポート】
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 左=参加者の皆さん  右=尾根の取付で地形と地図を見比べる
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 左=現在地の確認と進路は?  右=北西には峰床山の姿が見えた
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 左=皆子山山頂  右=かろうじて見えた武奈ヶ岳とコヤマノ岳
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 左=色のついたヤマボウシ  右=講習で使ったルート(国土地理院発行の1/25,000地形図「花脊」の一部を使用し、必要事項を加筆した)
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〔机上講習〕
 開校式のあと、主任講師の吉村雅さんから山岳遭難の43.5%を「道迷い」が占める現状が話された。それを要因とする事故を含めると、半数以上にかかわっているとのこと。したがって、安全に登山するためには、社会的に登山者の読図力アップが当面するもっとも大きな課題である。
 講義内容は、地図の種類にはじまって1/25,000地形図の説明、等高線による表現、登山道がつけられる地形など、基本的な事柄をわかり易く解説。参加者全員で地形図に磁北線を引き、実技で使うルートを描き込んだ。今回の尾根ルートでは、どのような情報が得られるのか、地形の特徴はどうかなども取り上げられた。また、地形図の表現の限界についてもふれられた。

〔実技講習〕
 ガスが山にまとわりつく天気だったが、小康状態のなか出発する。結局は午後に俄雨があった程度で、講習の要点をみんなで検証しながら歩くことができた。
 平で三班に分かれ、吉村さんから現在地の把握方法を解説。整置(正置)が初めにすることと教わる。そして、地図に載っていない橋と小道の説明。出発地点で、早くも実際と地図の違いを目にした。そして、寺の記号から尾根に取り付く。
 尾根を登るにつれ、要所で確認する内容の説明があり、これから先がどのようになるのか(登りか下りか、標高差はどれくらいか、傾斜はどうか、斜度の変化はあるのか)を一つひとつ確認した。また、各ポイントにおいて尾根の方向と支尾根がどちらへ派生するか、立っているところがピークなのかコルなのかなども、地形図とコンパスを使い目視の情報を加えて観察した。
 山頂では、なんとか比良山系の眺望が得られ、山座同定の仕方をマスターした。途中で雨が降り出し、急ぎ下山を始める。ただ、尾根の下降では登りより難しい場面に出合うことも多い。ルートの判断に迷う場合の対処法も教わった。なにより、読図は想像(イメージ)だと学んだ講習だった。参加者からは、おおむね好評の感想が寄せられたので、運営スタッフとしてそれなりの役目が果たせたのではないかと感じている。
 中身の濃い講習に余裕がなかったものの、ふと見上げた視界に、ピンクのヤマボウシやヒメシャラ・ハクウンボクの花が咲いていて、ホッとする時間も味わえた。だが、ヤマビルがあちこちで飛び跳ねており、各班とも頻繁に騒ぎが広がる。私は両足に4箇所の被害。
 1回の講習でマスターするには課題がいくつもあり、希望者も多いため、講習の継続を強く感じた。

  安全登山学校「道迷いをなくそう、地図を読もう」編
   主催:京都府山岳連盟/主管:遭難対策委員会・指導委員会
   日時:6月30日(木)19:00〜21:00〔机上講習=テルサ東館2階視聴覚教室〕
      7月3日(日)〔実技講習=京都北山「皆子山」〕
      時間記録/平(9:10)〜支尾根末端(9:40)〜837m(11:25)〜皆子山(13:10〜14:05)〜平(15:30)
      ルート/平〜皆子山東稜〜皆子山(往復)
   参加人数:50名〔机上講習〕/35名〔実技講習〕
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