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箱根は、変化に富む火山の特徴を備えた名だたる観光地。温泉や高原・湖・湿地など自然の魅力に加え、東海道が越えるため歴史や文化的な要素を抜きに語ることはできない。なかなか訪れる機会はなかったが、温暖な地域だけに寒い季節に行こうと計画した。ここ何年もの間、火山活動の影響から最高峰の神山周辺が入山できない。そのため、外輪山の一部と駒ヶ岳を目的地にする。大涌谷は外せないのでケーブルとロープウェイを利用し、桃源台から芦ノ湖畔を箱根園まで歩くことにした。 まず、強羅から宮城野橋を渡って明星ヶ岳の登山口に向かう。箱根大文字焼の文字まで登ると、さっそく富士山が姿を現した。中央火口丘(箱根)のピークも間近に眺められ、すばらしい景観だ。残念ながら、天気が下り坂なので色彩に乏しい。目を見張る金時山の山容が印象的。明星ヶ岳の三角点を踏み、明神ヶ岳へ縦走路を進む。この先はハコネダケが密生する間に道が開かれている。高いものは3mほどあって、関西では見ることのできない光景がつづく。明神ヶ岳の最高地点の手前に開けた空間があり、富士山の山頂も姿を見せたので昼食の休憩にする。 樹林帯の火打石岳北面をトラバースすると、矢倉沢峠まで再び笹原が連続する。方向と位置が変化していくので、周囲の景観も徐々に変わる。そうした風景の違いも行程を飽きさせない。金時山へ、最後の登りは急坂がつづく。火山性の赤や黒い岩が目立つ。なんとかここまで周囲が見えていたものの、またたく間に谷間からガスが湧き上がってきて辺りを覆う。富士山の絶景はお預けになった。 30分近くいた頂上から乙女峠への道を下る。次のピークで振り返ると、山頂の小屋が見えているではないか。タイミングが悪かった。この日のコースでは、進行方向にいつも富士山がある。距離=16km、所要時間=7時間。晴天ではなかったものの、箱根のよさを存分に満喫することができた。下の写真は、前日の富士山の様子(2021.3.12)。 |
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富士川から望む富士山(2021.3.11) |
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