湖東の太郎坊宮辺りを歩いてきた。入門者向の山登り講座の第一回目である。 岩場で構成される太郎坊山(赤神山)を正面に、「太郎坊宮前」駅から参道をまっすぐ進む。田圃の畔にはヒガンバナが列をなして咲いている。今年は例年に比べて二週間程度遅いようだ。本殿まで742段の石段があり、呼吸を整えながらゆっくり登る。本殿前の舞台では少し秋を感じる色彩に変わっていた。 山道へ入る前に、歩き方(フラットフィッティング)と呼吸法・歩行ペースの掴み方などを説明する。ここまでの階段で、基本的な歩き方を既に練習していたことも伝えた。トラバースの歩き方に加え、岩場での注意点とよい姿勢が安全につながることなども補足する。また、行動中はマスクを着用しないことも念を押す。 ハギの咲く山頂で蒲生野を眺め、箕作山で今度は琵琶湖側の眺望を楽しんだ。最後は桜の名所である延命公園から八日市周辺を眺めたが、鈴鹿の主稜や南側の綿向山などは雲に覆われたままだった。それでも馴染みの山々が姿を現して、これまでの山行の話題に花が咲く。 帰途は、これまで利用したことのない「新八日市」駅に向かう。大正時代に建てられた駅舎は蔦に覆われ、レトロな印象をより強く放っていた(2020.10.5)。 |