「京都再発見」の講座で南山城村の北大河原・田山・高尾・南大河原を歩いてきた。京都府内唯一の村で、お茶の栽培が盛んな地域だけに豊かな空気を纏っている。コースは関西本線「月ヶ瀬口」駅を起点に、木津川(伊賀川)を渡って名張川の高山ダムをめざす。そのあと、川筋が狭まる夢絃峡から「大河原」駅まで行く予定だ。ほぼ「東海自然歩道」として整備されており、まだ残暑は厳しいものの川沿いの風景に涼しさも感じられた。 駅舎を出て東へ下ると伊賀街道(大和街道)で、まず山城と伊賀の国境にある二本杭の標石を見に行く。旧道と新道に古い標石が置かれ、旧道には後の時代に設置された標石も並び立つ。東側は島ヶ原(三重県)である。 高山ダムを見下ろす地点で昼食ののち木津川左岸を下る。夢絃峡は、平安時代の大和国司=絃之丞と名張郡司の娘=夢姫の悲恋伝説に由来するという。屈曲点の先に本流を堰き止めるダムがあり、ここから大河原発電所へ導水トンネルが右岸に掘られている。上流を弓ヶ淵と呼び、下流の瀬を明神ノ滝と称す。支流から本流に落ちる雄滝・雌滝を過ぎると、やがて大正時代に建てられた発電所を対岸に望むことができる。道中はクズの花に覆われる所が多かった。 北大河原の集落に入り、十三重層塔(鎌倉時代)が立つ春光寺と国津神社に立ち寄ってから駅へ向かう(2020.9.8)。 |