探山訪谷[Tanzan Report] |
No.57【思いがけない春の贈り物――静原の里山で】 |
ヒカゲツツジ(左・右) |
一帯が淡黄色に彩られる |
左=かろうじて残っていたカタクリ 右=群生地は雰囲気のよい落葉広葉樹林 |
比叡山のカタクリを確認するため、4月下旬に群生地へ行ったところ、ものの見事に一輪も見ることができなかった。複数の葉が出ている株はほとんどなく、一枚だけのものが数多く見られる。以前より数は増えている印象だが、はたして今後も安泰だろうか。 そこで、静原の群生地も気になって足を延ばした。結果は比叡山と同じ状況だった。茎はどれも花の下で食いちぎられ、ガッカリである。 ところが、途中の尾根筋に白っぽい花の帯が浮かんでいる。遠目にはタムシバかと思ったのだが、近づくとヒカゲツツジだった。大原周辺はミツバツツジが多く、シャクナゲが目立つところもある。キバナシャクナゲを連想させる気品ある淡黄色の花に、初夏の到来を実感した。嬉しいひとときだった。 |
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