探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.567【やっと出会えた花】
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クマガイソウ
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 源平合戦一ノ谷の戦いで知られる熊谷直実(くまがい なおざね)が背負う母衣(ほろ)に見立てたクマガイソウ。扇型の葉と膨らんだ唇弁が特徴的で、一度見たら忘れられない形状をしている。その小さく狭い口がマルハナバチを中へ誘う構造になっているらしい。
 低山の杉林や竹林に生育し、群生地は全国に点在するという。ただ、これまでに出会ったことがなく、植えられた株の葉を数回見ただけであった。環境の変化が減少に拍車をかけるものの、一番の要因は業者による盗掘とマニアの採取だという。環境省のカテゴリーでは絶滅危惧U類(VU)に分類される。
 ある山の案内をするため調べていて、最近になって情報を得た。そこで、晴天の日に時間をとって出かける。全体的には花はまだこれからという状況だったが、感激の対面を果たすことができた。行っただけの価値は十分。この日はエビネの花も数多く見ることができた。
 片や首を取られた方の平敦盛(たいらの あつもり)。淡紅色のアツモリソウにもぜひ会いたいものだ。それにしても、ラン科のこの種属に一騎討ちの二人の名をあてたセンスはどういうものだろう。心情が伝わってくるようなネーミングである(2020.5.5)。
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200505_3
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ebine
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エビネ
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