久しぶりで鈴鹿の山へ行ってみた。登山・トレッキング講座で貸切バスが使えなくなったため、交通の便が悪い山が未踏のままになっている。希望を聞いて、今回は中部の二座を目的にした。宇賀渓が閉鎖されており、竜ヶ岳と静ヶ岳を石榑(いしぐれ)峠から往復する。 この辺りは、かつて沢や峠道の踏査で頻繁に歩いたエリアだが、林道や国道トンネルの開通ですっかり様子が変わってしまった。茶屋川の廊下帯やスケールのある神崎川流域がどうなっているのか気になるところだが、まずは山の上から景色が確認できれば嬉しい。 旧道を通って峠までは問題なく辿り着けた。南側に建っていた電波塔は撤去され、保守管理用の道路だけが稜線に残る。途中の重ね岩あたりから眺めがよくなり、次々とピークが姿を現した。ザレ場と急坂を登りきって開けた竜ヶ岳に着く。 裏道登山道を右に分けると、落葉広葉樹の主稜は北西へ向かう。二重山稜になったり池のある尾根が静ヶ岳までつづく。竜ヶ岳の広い笹原と好対照をなし、このコースは鈴鹿らしい景観がすばらしい。標高の高いところはまだ春浅い感じで、日当たりのよい場所で何種類かの花が咲き始めているだけだった。ヒルの印象が強いこの山域だが、喜んでもらえたようだ(2020.5.1)。 |