探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.559【山王山(雄嶽)と高熨斗岳〔中通島〕】
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左は山王山(雄嶽=おんだけ)。右に雌嶽(若松瀬戸を航行中のフェリーから)
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雄嶽日枝神社神域の樹林
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左=山王宮二之宮跡  右=雄嶽日枝神社(三之宮)
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南西方向の眺望(右手は若松島。中央に蔵ノ小島と右にヤク丸島が浮かぶ)
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北方を望む(中央に高熨斗岳。左は祝言島。遠景は最高峰の番岳)
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高熨斗岳(手前の湾は青方港)
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今里への下山路から見た山王山(雄嶽)
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高熨斗岳から雌嶽(中景左)と山王山(雄嶽)を望む(間の遠景は扇山か?)
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左手の二峰が雌嶽・山王山(雄嶽)。右手遠景は番岳。右端に相島と風車が並ぶ二等三角点(太田)が重なる(長崎へのフェリーから)
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 最後は上五島の中通島へ渡り、二番目に高い信仰の山を目的とした。山王山(三王山)は比叡山と深く関わりがあり、雄嶽日枝(おだけひえ)神社は最澄が日吉山王権現を勧請したことに始まるという。唐へ渡る前に、遣唐使はこの山で安全祈願をした。三日浦など、潮待ちの時間と場所が地名として残る。
 海上からもよく目立つ山容は、古くから人々の注目を集めた。弘仁五(814)年に入唐し、帰国後に再訪した最澄は山王宮を荒川(一之宮)に祀る。延暦寺東塔にある根本中堂の「不滅の法灯」が消えた場合は、この山から灯火を運ぶともいう。2019年10月15日には「開山1200年祭」が開かれ、最澄の銅像の除幕式も執り行なわれた。また、小値賀(おぢか)島の浄善寺にも同様の伝承が残る。
 これまで、荒川から林道を八合目まで上がって頂上をめざしたが、新ルートが開設されて青方(あおかた)港からスムーズにアプローチできるようになった。地元のタクシー会社とやりとりする中で判明し、一部で工事中だったものの通行許可を取っていただき短時間で登山口に着く。今里から山王山(雄嶽)の東面を雌嶽との鞍部まで上り、荒川からの林道と接続したことで実現した。
 登り始めると雰囲気のよい自然林が広がり、二之宮跡を経て尾根に出る。その窟からは、奉納された舶載鏡が発見されたらしい。三之宮にお参りしてから裏手の展望台に上る。さすが一等三角点、360度の大パノラマだ。今里コースは北東の尾根につづき、先ほど通った林道を横断して谷筋に降りる。国道に出合う手前で迎えの車が来てくれた。
 次に展望スポットとして知られる高熨斗(たかのし)岳へ向かい、東シナ海の広がりを感じた。上五島に現存する29のカトリック教会群のうち、大曽(おおそ)教会を拝観してから青方へ戻る。世界遺産の恩恵か、ドライバーの方々の案内・説明がなかなか詳しい(2020.3.30/3.31=長崎へのフェリー)。
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大曽教会
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