これまでに登山講座で「吉野三山」の二山(銀峯山・櫃ヶ岳)は登ったが、金峯山(栃原岳)は未踏のままだった。梅か桜の花の季節に行こうと考え、3月下旬に計画する。地元(下市町)が山里を結ぶハイキングコースを整備していて、標識も完備しているので気軽に歩くことができる。春らしい景観に出会えるのではないかと期待して出かけた。 コースは、まず旧上栃原バス停(波比賣神社入口)から栃原岳を往復する。頂上の手前にある展望台では、紀ノ川流域から高野山方面の眺望がすばらしい。また、途中の道では稲村ヶ岳の山稜を望むこともできた。入口の鳥居まで戻り、樺ノ木峠から尾根筋を梨子堂の集落へ向かう。ここも展望のよい区間があって、高取山から音羽三山・龍門岳が北側に横たわる。東北東には鋭い山容の高見山が聳え、間に曽爾・御杖村方面の山々を見ることができた。 開けた尾根と緩やかな山腹に梨子堂の集落があり、静まり返った山里はよき日本の風景である。雄大な眺めを楽しみながら休憩した。全体的に梅花は遅かったものの桜が咲き始めており、緑を背景にピンクが彩りを添えている。天誅組砲台跡から広橋梅林に下り、何度も通って馴染みになった学校跡の建物が残る広橋峠に向かう。法泉寺の西側から梅林を下り、乳屋辻バス停から下市温泉のある岩森バス停まで歩いた。 樹木や眺めもすばらしかったが、足許には草花が咲き始めていて、スミレを中心にイチリンソウやバイモも見ることができた。 予定になかったものの、バスを待つ間に駅近くまで行けそうなので約4キロを歩く。下市の古い町には風情ある景観が点在していた(2020.3.24)。 |