前に上平寺城(桐ヶ城)跡から弥高寺跡を訪れた時は、天候があまり芳しくなく時間もなかったので概要を掴むだけで終わってしまった。そこで、今度は逆コースで登り、史跡を確認しながら歩いてみたいと思っていた。 山麓の「ジョイいぶき」から弥高の集落に向かい、旧道を登って大門跡に達する。あまり歩かれないせいか、倒木が道を塞いだりしていたものの、掘り込まれたルートは古道の面影を深く残していた。傾斜の緩くなった広い尾根に何段もの平坦地が扇型に点在し、谷筋の湧水近くで入定窟と宝篋印塔を確認することもできた。もう一基は弥高の平野神社にあると説明書きに記されている。 寺院跡とされるものの、造作は完全に山城である。平安時代に栄えた伊吹四大護国寺の中心的寺院は「弥高百坊」と呼ばれていた。その後、京極氏や浅井氏によって城砦として整備されたようである。大門跡の下部には空堀がはっきりと残る。 弥高山の四等三角点と最高地点に寄ってから、弥高川源頭をトラバースして伊吹山登山道へ向かう。五合目と六合目の間にあたる標高930m付近で合流し、雪がちらつくなか三之宮神社に下山した。草花はまだ何も咲いていなかったものの、マダニがたくさんいて既に注意すべき季節になっていた(2020.3.15)。 |