紀淡海峡に没する和泉山脈の西端=高森山(北山)と四国山へ行ってきた。以前この辺りを歩いた時は、関西国際空港の土砂採取跡がただ広がるばかりで、阿振川沿いの道がかろうじて自然の状態で残されているだけだった。加太(かだ)を中心に深山や鉢巻山も含め、なんとか歩けるコースを周回した印象が強い。 今回は大阪府岬町の小島住吉から府県境を越えて和歌山側の大川へ入った。まず、法然上人二十五霊場第八番の報恩講寺(大川寺)に参拝する。山門の両脇には四天王像が安置してあった。清水川を遡ると、今年初めてウグイスの声を聞き春の花たちも咲きはじめている。 どこへ向かう参道なのか、丁石が立ち石畳や階段・石橋が残る。「當村社中」「大川社中」とあるので神社の可能性も高い。一方、谷の上部では旧軍の要塞を示す標石が立つので、丁石はそれ以前の信仰を表しているようにも思える。ヤマモモやウバメガシの樹林を登ると大川峠からくる尾根と合流。ほどなく高森山(北山)の頂上に着いた。北西から東側の展望が得られる。和泉山脈の山々が幾重にも重なり、紀ノ川流域の山も姿を見せていた。 府県境の尾根には森林公園の歩道が開かれ、山上広場や四国山展望台からは紀淡海峡を中心とする眺望が広がる。気温と黄砂によるものか、残念ながら四国を望むことはできなかった。かつて存在した鶴部ヶ岳・尊獄山は山容すら想像できない。堤川畔まで南下して「加太」駅まで歩く。予定より早く着いたので、みなさんは淡嶋神社と町の散策に出かけられた(2020.2.25)。 |