今冬の山はどこも異常な様相を示している。例年に比べ降雪量が極端に少なく、積雪期のトレーニングは不可能な状況にある。近郊ではスキー場の営業が雪不足でできず、2月下旬なのに既に閉鎖されたところも現れている。 先週の冬型気圧配置で少し降ったため、雰囲気だけでもなんとか味わえないものかと比良山系の釈迦岳にでかけた。数日前までは暖かく、前日に日本海低気圧が発達して東へ去ったため寒気が南下してきた。典型的な春先の気象である。稜線では15m/s以上の風が吹き、体感温度は氷点下5度を下回ると予報が出ていた。一般的に言えば、登山に適さないコンディションである。 「比良」駅に着くと時雨れており、標高が上がれば雪になりそうである。イン谷口から「大津ワンゲル道」に取り付く。見上げると上部は樹林が白いものの、積雪は谷筋が中心のようだ。冬枯れの山道を登ると、標高900m辺りから雪が現れた。だが、地面の見えている範囲も多い。晴れ間が出たり霰や雪が降ったり、様子はめまぐるしく変わる。北比良峠付近では、この時期とは思えない光景が展開していた。しかも、風水害によるものか地形が大きくえぐられている。神爾谷源頭のガレをトラバースすると、ダケ道は途端に積雪がなくなって夏道をそのまま大山口へ下山することになった(2020.2.23)。 |