「低山歩き」の講座で、これまで淡路島に二度出かけた。三度目は「くにうみ」神話の先山(せんざん)を目的地にする。「淡路富士」と呼ばれる山だ。京都からだとアプローチに時間がかかるため、行程を短めの計画にした。ちょうどよいことに、高速道路の洲本インターチェンジに停車するバスがあり、そこから歩いてアプローチを図る。 上内膳にある「淡路四国八十八ヶ所」第二番札所の蓮光寺の前から参道に近づいていく。山麓は棚田が広がり、振り返ると柏原山から諭鶴羽山の山稜が遠くに横たわっていた。道端にはウメやスイセンの花が咲いて早春の空気に覆われる。下内膳からの参道と合流し、車止を過ぎるといよいよ七曲になった。折り返しながら茶屋まで登ると、千光寺の石段がさらに上へつづく。仁王門の下に眺望のよい休憩所があるものの、先ほどからガスに包まれてまったくなにも見ることができなかった。 参拝を済ませて下山は南の尾根にとるが、あまり歩かれないのか古道はいささか荒れていた。ただ、かつての隆盛を示すかのように立派な道標と丁石が残されている。途中にはスダジイやタブノキの巨木が目立った。式内社の岸河神社を見て旧道をバス停へ戻る。今回も、ひと足早い春を満喫することができた(2020.1.28)。 |