昨夏に予定していた穂高連峰が台風で実施できず、今夏に再行しようと計画した。一般的な縦走とは異なる山域なので、参加者の体力・技術などを考慮して一日あたり6時間前後の行動となるよう考える。みなさんの希望は北穂高岳・奥穂高岳・前穂高岳をつなぐルートだが、北穂高岳から涸沢岳の間が気になるようである。整備されているとはいえ、大キレット同様の岩の稜線を進まなければならず、ひとえに天候に恵まれることを願った。 まず、上高地から涸沢へウォーミングアップ。昼過ぎに小屋へ到着して翌日に備える。核心部は余裕を持って歩けるよう早朝に出発し、北穂高岳南稜を登ると周囲の景色が広がってきた。馴染みの山容だが、久方ぶりなので新鮮な印象だ。一歩ごとに視野が広がって刻々と姿を変える。時間が経つにしたがってガスが纏わりつき、夕立に遭わないことを祈りつつ白出ノコルへ向けて進む。大気が不安定なのか、午後は激しい降雨になって強弱を繰り返しながら夜半までつづいた。翌日も早く出発して、昼には岳沢小屋へ着けるようにする。 涸沢ではテントの数が少なく、韓国からのツアー登山客に巻き込まれるなど山の風景は一変していた。だが、それぞれの山頂で360度のパノラマを満喫し、全員が笑顔で山行を終えることができた(2019.8.1〜8.3)。 |