湖北には山岳寺院の跡が各所にあり、歴史的な興味を引く山が多い。天吉寺山も中腹に大吉寺跡があって、その痕跡を一度訪ねてみたかった。 現在の大吉寺から取り着いて登るのだが、はじめは谷沿いでなく本堂の裏から右岸を辿るよう案内がなされていた。仁王門跡は小広い場所でしかなったが、その上部から寺院跡の平坦地が何段にもわたって広がっていた。様子を知りたいので、回り道をしながら上部をめざす。尾根筋に出ると植林地から広葉樹林に変わりはじめ、頂上までの途中には大木が点在するエリアも見られる。茂った木や藪に眺望はほとんど得られない。あまり歩かれていない道だったが、山門から2時間あまりで二等三角点に達することができた。帰途は野瀬の集落にある下之森神社にも立ち寄った。寺院近くの釋神谷には平岩・立岩・烏帽子岩と滝があるようなので、今後の課題にしよう。 この辺りの山域をよく歩いていた頃は、積雪を利用して道のない尾根を登ったり夜叉ヶ妹池を探したりした。当時も動物と出合うことは時々あったものの、ヒルやダニに悩まされることはほとんどなかった。ところが、今回は大吉寺本堂を離れるとヤマヒルがうごめく道に足元のチェックは欠かせない。おまけに大きなダニもいて、すっかり様子が変わっていた(2019.7.12)。 |