ここに紹介するのは、九重連山(沓掛山・久住山・天狗ヶ城・中岳・鳴子山・白口岳・大船山・平治岳)と由布岳(西峰・東峰・飯盛ヶ城)で見た花たち。フォトアルバムとして掲載しておこう。 ミヤマキリシマは最盛期が過ぎて、標高の高いエリアだけピンクに染まっていた。濃淡があって緑に埋もれる範囲もあるが、陽光を浴びて鮮やかな色が目に飛び込んでくる群生地も見られた。しかし、近づいて花をよく見ると瑞々しい状態はほとんど終わり、花弁が縮れている。やはり、例年どおりもう少し早い時期がベストだろうと思われた。 期待のオオヤマレンゲはいくつも拝顔できたが、なかなか良い状態で写真に収めることができない。雄蕊が赤紫色のオオバオオヤマレンゲもあるらしい。こちらは中国や朝鮮半島が原産とされ、移植した訳でもないのに山中に産する不思議。中国では逆に隔離された状態でオオヤマレンゲが分布するという(安徽省・江西省)。そうした謎がますます登山者に興味を起こさせる。山頂をめざすのでなく、清楚なこの花を目当てに訪れる人も多い。大峰山脈の八経ヶ岳などに自生するものが名称の由来だが、現在は柵で囲まれた中でしか見ることがほとんど不可能だ。したがって、自然の状態で何箇所も出会えたことがなにより嬉しい。 テンナンショウの仲間はあちこちで見られたものの、由布岳の登山道で見かけたツクシマムシグサは特徴的だった。仏炎苞の舷部が長く伸びて白く透け、光を通していっそう輝いている。付属体は棒状である(2019.6.19〜6.21)。 |