リクエストに応えて『山旅倶楽部』で九重連山に出かけた。5月下旬から6月前半のミヤマキリシマが咲く時期は混み合うと思い、一段落する中旬を予定した。オオヤマレンゲの開花に照準を合わせた結果である。上手くすれば梅雨の中休みにあたると考え、一年前に参加者を決定して計画ができた。今年は西日本の降水量が少なく、6月25日現在でもまだ入梅していない。 法華院温泉で一泊する二日行程だが、前後はフェリーに乗船するため日数が増える。牧ノ戸峠から久住山と最高峰の中岳を経て坊ガツルに下り、翌日は大船(たいせん)山と平治(ひいじ)岳に登って雨ヶ池越から長者原(ちょうじゃばる)に出た。「ツル」は、水が山地から土砂を押し出してできた台地(扇状地)を表すことばである。「坊ガツル」は、坊(法華院白水寺)の下の扇状地を指し湿原・沼〔「ムタ(牟田)」〕ではない。九州には地形や地名に独特のものが多く興味深い。 登頂したピークは九座になり、火山性の地形や岩場など変化に富む九重らしいコースを歩いた。湿原と広葉樹林の美しさも存分に楽しむ。ただ、案内マップに載っているコースタイムがやや短めで、一般向としては少し厳しい印象を受ける。 途中で出会った地元の方から、鳴子山のオオヤマレンゲは7月だと教わった。行ってみると確かに蕾が固く花は諦めたものの、20日は他の場所でいくつも姿を見せてくれ、目論見どおりの展開。すべてが思い描いたようになって、会心の山行だった(2019.6.19〜6.20)。 |