「京都再発見」の講座で宇治の喜撰山へ行った。「わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世を宇治山と 人はいふなり」――平安時代の六歌仙の一人である喜撰法師ゆかりの山である。近くの「天ヶ瀬森林公園」は以前に出かけたことがあるものの、なかなか行く機会が少ないエリアだ。駅から歩くと距離的にちょっと厳しいので、入口の天ヶ瀬ダム(鳳凰湖)展望台までタクシーを利用する。だが、観光地や住宅地が中心なのか、初めて行くというドライバーが多かった。なかには、途中で降ろそうという人まで出てくる。 昨秋の台風被害などでながらく閉園していた公園だが、3月から開放されたので遊歩道を利用して東へ進む。標高369メートルの標高点で現在地を確認し、林道に出て北上する。周囲は木々の新芽が清々しい彩りを奏で、ヒサカキの臭いとともにこの時期らしい空気に覆われている。林道仙郷山2号線の起点標識から尾根に取付き、広葉樹林を登りきると喜撰山の山頂だった。西面の岩場に喜撰洞があるので、場所を特定するため西側へ下って斜面をトラバースする。再び尾根に戻り、ダム湖の近くから志津川に向けて林道を下る。ハヤブサの営巣地を撮影するカメラマンと出会ったり、神女神社でヤマザクラの巨木を見上げたりしながら、仏徳山の北面を抜けて宇治橋まで歩いた(2019.4.16)。 |