福井市街に横たわる足羽山は、市民の憩いの場で公園として整備されている。その南側には兎越(おさごえ)山と八幡山が連なり、「足羽三山」と呼ばれる。桜と山野草が多いと聞いており、機会があればその時期に訪れたいと考えていた。この冬は積雪が少なく気温も平均して高めだった。そのため、花も早めに咲くのではないかと4月初めに計画した。 前日発表の降水確率が40%だったので実施するが、午後の降水確率も高く前夜の雪や雨の影響で花と眺望は期待できない。しかも、福井駅に着く頃から雨脚が強くなって、コースの概念を掴むだけで終わりそうな気配である。予想どおり、参加者も半数近くまで減ってしまった。足羽川の桜並木は咲き始めたばかりで、横目で見ながら雨具を着て愛宕坂に向かう。 足羽山は京都でいえば円山公園と東山のような場所で、神社や記念碑などのほか山上に多くの茶屋が営業している。しかし、地元の小学生が保護活動をしているという「ブナの道」にはカタクリの群生地もある。竹林の進出が目立つので心配な状況ではある。三等三角点を踏んで西から南へ下ると、道路沿いにも花を見ることができた。つづいて最高峰の西谷山へ急峻な尾根を登ると、そこにも群生地が点在している。 住宅のすぐ裏手にこのような植生が広がっているのはすばらしく、この環境と自然林が守られることを願うばかりだ。雲が切れて少し青空も出現したが、北西から再び厚い雲が近づいてくる。八幡山の展望台では、眺望もそこそこに下山した。せっかくなので、有名な笏谷石の石切場跡に立ち寄る(2019.4.1)。 |