有名な青谷梅林を中心に、城陽市の里山をめぐる「京都再発見」のトレッキングを計画していた。ところが、季節の進み具合が早まって「梅だより」は終わりを告げ、「梅まつり」も二日前までだった。残念だが、静かな青谷を歩くのも悪くないと言い聞かせて出かける。 歴史ある地域だけに見どころが多数点在し、自然と文化が感じられるコースを考えた。はじめに水度神社へ参拝し、境内林の巨樹に立ち寄る。遊歩道で鴻ノ巣山の展望台に達し、曇り空ながら眺望を楽しんだ。その後は縄文時代の森山遺跡を経て旧街道の長池宿を歩く。「寺田芋」につながるサツマイモを、鬼界ヶ島から持ち帰った嶌利兵衛の墓を訪ね、旦椋(あさくら)神社にも寄った。観音堂あたりからウメの香りが漂い、中天満神社の「おかげ踊り」の絵馬を見てから堂山見晴台に上る。天山(てんやま)で南方の木津川を眺め、傍らを見ると図根点が埋設されていた。京都周辺ではさほど珍しくない標石だ。市辺(いちのべ)の集落を回り道しながら「山城青谷」駅に向かう。立派な旧家や表情の異なる西生寺の墓石が好ましい。豊かな地域性が感じられた。 堂山周辺のウメは花が散っていたものの、道中はあちこちで白い花をつけていた。春の野草も咲き始めており、まもなくサクラの花も見られることだろう(2019.3.19)。 |