希望の多かった出羽三山へ賑やかに18名で出かけた。関西では馴染みの薄い信仰の場だが、東北地方を中心に今も多くの講と人々が参拝する。9月中旬がその最後の時期で、私たちも参籠所が開いている月日を選んで計画した。 1日目は羽黒山の隋神門から天然記念物になっている杉並木の参道を登り、羽黒山頂から月山登拝路を荒沢寺まで歩く。翌日は弥陀ヶ原から月山へ向かい、湯殿山神社(本宮)まで歩いて下山。何とか「三山(みやま)駈け」を果たすことができた。仙人沢や水月光(みずがっこう)の水量が多いこともあって、最終日の旧六十里越は志津付近だけに短縮した。途中に3ヶ所ある渡渉が、困難なことも予想されたからである。 行程のなかで羽黒山の参道は雨に見舞われたものの、メーンの月山は風で雲が次々と流れ、庄内の平野や海岸まで見下ろすことができた。広々と開ける台地がこの山のスケールを伝えてくれる。白装束のグループ(講)に何度も出会い、息づく霊山を実感した。帰途は、霧がかかっていたものの西川町へ入るまで雨にあわず、日程を通して秋雨前線の影響はあまり受けずに済んだ。希望者だけで古くからの湯治場として知られる肘折温泉にも一泊し、欲張った山旅を終える(2018.9.7〜9.9)。 |