探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.419【夏の紀北・飯盛山】
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赤沼田から龍門山方面を望む
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左=大師の井戸  右=観音堂が建つ麻生津峠
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左=ササユリ  右=オカトラノオ
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飯盛山の山頂
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雌桂
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雄桂
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茶臼山上部の果樹園から名手・紀ノ川を見下ろす(遠景中央は岩湧山)
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 紀ノ川の南岸を東西に走る龍門山脈。「紀州富士」と呼ばれる龍門山の東側に飯盛山はある。かつて、龍門山からこの山を経て北山へ縦走したこともあるが、高野山をめざす「麻生津道・西高山街道」(麻生津から大門まで約五里)や『紀伊国名所図会』に記されたカツラの老樹(推定樹齢750年以上)のことなど知る由もなかった。
 登山講座で訪れようと考え、本陣があった宿場町の名手(なて)を起点・終点に見どころをつなぐ計画にした。京都からの時間的な制約と暑い時期だけに、麻生津(おおづ)峠近くの地蔵寺まで駅からタクシーを利用する。赤沼田(あかんた)から峠までは急坂がつづき、熱中症に注意しながら峠の観音堂へ達した。途中に弘法大師の井戸がある。
 稜線には廃墟になったホテルと下から見えていた飯盛城天守があるものの、歴史的な価値はない。それより夏の花が目を引く。ササユリやオカトラノオ・ホタルブクロ・シライトソウなどが見られた。山頂は曲輪跡と思われる広い平坦地で、心地よい風を感じながら昼食タイムにした。一段下に腰曲輪があり、さらに空濠も認められる。ここから龍門山にかけて稜線は城跡が連なる。
 桂峠から神路(こうろ)峰に登り、茶臼山への道を下山する。標高500m付近に雌桂が聳え、20mほど下の西側の谷筋には雄桂があった。足元は片麻岩や結晶片岩が見られ、銅や硫化鉄を採掘していた飯盛鉱山が近いのも頷ける。農道に出ると、果樹園が広がる彼方に名手を中心とする景色が広がっていた。暑さに慣れるためのトレーニングのような一日になった(2018.6.26)。
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