探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.418【買ってはいけないトレッキングシューズ】
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左=現状(赤丸は破れ、黄丸は深いシワ)  右=購入当初
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生地の破れ具合(ゴムやラバーの痛みも目立つ)
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 「『使い切った』感がありますね」。
 店員は靴を見るなり言い切った。納得できないので持ってきたのに、なんという応対なのだろう。これまでに多くのトレッキングシューズを履いてきたが、これほど低品質な製品は初めてだ。しかも、こちらの使用目的を伝え足の測定をして選んでもらった結果である。「Tエナジー(T AENERGY GTX)」(MAMMUT)は軽量で堅牢な造りが評価されているとの言葉と、足にしっくり馴染んだので勧められるまま購入した。アウトソールの張替えができることも決め手の一つである。
 2016年の秋に購入し、次の春から使い始めた。登山靴とは使い分け、岩稜歩きや積雪期はもちろん履かない。利用範囲は、比叡山をはじめとする近郊の日帰り山行である。加えて、無雪期のトレッキングシューズは3足を順に使って連続で履くことはしない。一日の行程は8〜25キロメートル程度。負荷重量は荷物を入れて70キログラム前後だ。そんな山行を十数回した結果が上の写真である。
 高価なものだけでなく、安価な靴を何足も履きつぶしてきたが、アッパーが先にダメになることなどこれまで一度もなかった。一年も経たない2017年秋には上部の痛みが気になり、今年の4月にソールの減り(踵)がミッド部分まで達したので、張替えしようとした矢先に生地が破れた。いくら防水透湿性があっても、これでは話しにならない。
 メーカーから直接返事を聞きたかったので店に預ける。後日に電話がかかり、状況から判断すればこの靴の役割は終わった(寿命)と言われた。「柔らかく歩きやすいシューズの宿命」という。この程度の耐久性なら、公園の遊歩道ぐらいしか歩けない。素材や造作の改良は考えていないとの返事に、このメーカーは信頼できないと感じた。今後は登山学校・登山講座で教材にするしかない。
 もう一つ感じたのは、全国展開をする登山用品店の質の低さだ。私が山登りを始めた頃の『好日山荘』は、敷居が高くて店に入ることすらできなかった。客も会話できるだけの知識が求められた。その名称を引き継いでいるものの、現況はメーカーのセールスメンバーでしかない。店主の広い経験と深い知識から選んだ製品が並ぶ店舗でないため、メーカーのアナウンス以上は期待できない。それなら、ネットの店と何ら変わらないではないか。

 これまで、当サイトで登山用具を取り上げることは一切しなかった。しかし、あまりにお粗末な物がブランド力だけで販売されていることに警鐘を鳴らしたい。
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クレーム内容を簡単に記した伝票(これでは思いが伝わらないので、連絡をお願いした)
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