「京都再発見」の講座で亀岡の行者山へ行った。ここは地元がハイキングコースを整備していて、比較的短時間で多くの見どころが回れるよう設定されている。南麓にはかつて大谷鉱山があって、スズやタングステンなどを産出した。中学生の頃に、そのズリで何度か鉱物探しをした記憶がある。 「千代川」駅を出て西に進むと千代川小学校があって、長屋門の亀山城新御殿門が移築されている。京都縦貫自動車道の手前から東を振り返ると三郎ヶ岳などが並んでおり、なかなか美しい景観だった。山道になると折り返しながら標高を上げ、290m付近に行者燈が建っている。近くの石室には行者像が安置してあった。頂上直下には鳥居があって、上部の岩に祠が設けられている。この辺りが行場だったのだろうか。その上には荒熊大明神の石碑などがあった。 行者山の山頂から堂徳山にかけて雰囲気のよい樹林がつづく。登り返した440mには、明治十二年の北ノ庄村・鹿谷(ろくや)村・神前(こうさき)村の境界標石が立っている。鞍部に下り、獨鈷抛(とこなげ)山千手寺への車道を南に進む。門前の広場からは、亀岡盆地を前に高瀬山から明神岳・黒柄岳・湯谷ヶ岳などが連なっていた。眼の観音さまにお参りし、正面の旧参道を下る。途中の弘法大師爪彫不動や金毘羅さん・朝霧藤左衞門塔(文化九年)を見ながら山麓に出ると、広々とした景色が展開する。鉱山跡だ。今でも一部に鉱山関係の施設があって、在りし日を思い浮かべながら佐伯めざして歩く。田畑が広がる平野部の風景もすばらしかった。最後は「翁鶴」の酒蔵を見学して解散する。バスに乗車するみなさんを見送ったあと、龍潭(りょうたん)寺の庭を見て「並河」駅まで歩いた(2017.12.19)。 |