登山講座のステップアップクラスで、滋賀県と福井県にまたがる三十三間山へ行った。一般的には、倉見から往復するか635m峰から倉見峠への尾根を周回するコースが選ばれる。だが、このクラスらしい行動を考えて天増川へ下るルートにした。公共交通機関の利用を前提に計画するため、バスの時刻などに配慮する必要がある。 京都では前日の雨も上がっていたが、湖西はまだ降りつづいていた。倉見の登山口では雨具を着て出発する。稜線まで順調に登り、三十三間山へはガスの中を進む。轆轤山にかけて草地の多い稜線だが、残念ながら展望は得られなかった。635m峰の北西斜面では、崩落防止と植生の回復を図るためか段々畑のような光景が見られた。資材などは林道からモノレールを使って運ばれるようである。尾根を南下し、大根畑跡から天増川(集落)へ下るのは時間的に厳しいので、天増川にもっとも近づく支尾根をルートにする。 傾斜の強い地形だが、短時間で川縁まで降りることができるため選んだ。はるか昔に見つけておいた山道だが、月日が経ったせいか下部で見失ってしまう。尾根と斜面を慎重に見極めながら、最後は浅い砂地を活かして徒渉した。私は靴を脱いで渡ったが、トレッキングシューズのまま渡る人もあり、足首の対策ができている場合は靴の中に水が入ることはなかったらしい。『ゴアテックス』の威力を目の当たりにする一コマだった。もっとも、素足で渡ると足の疲れが取れたような感覚になり、これはこれでよい方法である。 あとは川沿いの林道を、川筋と山里の景色を眺めながらおしゃべりしつつバス停をめざす。集落の八幡神社にもお参りした。予定どおりのバスに乗車できて充実の山行を終えた(2017.10.13)。 |