探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.350【高取神社参道から高取山】
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高取山(神撫山)遥拝所(長田神社境内・楠宮稲荷社傍)
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 左=登拝口に残る鳥居の柱と「三丁」石(長田小学校前)  右=看板が並ぶ登山会署名所(中の茶屋)
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高取神社から神戸の市街地を望む
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高取山から見る「須磨アルプス」(右=横尾山)方面(遠景左=鉢伏山)
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左から菊水山・鍋蓋山・再度山と摩耶山(潮見茶屋の上部から)
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高取神社参道(本道)の標石(西代)
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 六甲の高取山は、再度山や保久良山と並ぶ毎日登山で賑わう山だ。参道に点在する茶屋がその歴史を伝えており、今も四軒が営業しているという。長田の市街地からも近く、山中に祀られた多くの神が人々から尊崇を集めてきたことが窺える。石が並ぶ稲荷山(京都市伏見区)さながらの光景は、「お塚めぐり」といってもよいほどである。週日の昼間でも次々と山をめざす人たちの姿があり、その身軽な動きが日常の生活と深く結びついていることを示している。
 長田神社にある高取山(神撫山)遥拝所を出発し、苅藻川(宮川)畔で山容をまず確認した。長田小学校の北側にある登拝口から登る参道で高取神社に達し、荒熊神社で三角点を確認したあと本道で西代に下った。どちらも距離は十八丁(約2キロ)で、道中の丁石や鳥居をいくつも目にすることができた。山中は樹林もすばらしく気持ちよく歩けたものの、信仰が途絶えた神蹟と住宅に埋め尽くされた区域では、無残にも荒れ果てた状況を見ることにもなった。
 身近な自然と対話できる高取山のような環境は、現代社会ではますます求められるはずである。神や神社の役割も変化するだろうし、全山を包む「気のようなもの」(力)が再び人々の心の拠り所になるのではないだろうかと思われた(2017.7.3)。
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