探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.340【御料局三角点(佐渡ヶ島・論天山)】
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 測量のための三角点は馴染み深いが、御料局の三角点は新たな発見だった。御料林の境界標石はこれまでにも目にしていたが、この標石の風格というか芸術性に心を奪われた。角を取った造作と文字(篆書体)の美しさはなかなかのもので、これから注目したい標識になった。
 御料地とは、本来は幕府直轄の地を指しているが、明治18(1885)年に皇室の所有地を管理する宮内省御料局が設置され、測量が行なわれたという。皇室が直接に必要とする第一類と収益事業用の第二類に分かれ、御料地測量規定に基づいて本点(二等・三等)と副点(四等)が置かれたらしい。明治41(1908)年には帝室林野管理局になって、以降は「宮三角点」と呼ばれている。
 写真は大佐渡山脈の論天山(872.6m=四等三角点「ドンデン」の北側ピーク)のもので、明治31(1898)年6月に設置された。測量史に詳しい上西勝也氏のウェブサイト(『史跡と標石で辿る日本の測量史』)には、論天山の縦走路脇に三角点がもう一基あり、ドンデン山荘の裏山には界標があるとも記されている(2017.5.25)。
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