探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.338【初夏の色彩】
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 群生するクリンソウと咲き上がる花
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 花の時期を選んで愛宕山の山塊を歩いてきた。ここ数年は毎年のように確認に出かけているのだが、印象としてはだんだん増えているように感じる。この日も、出発して間もなく花をつけた株があり、上流から種が運ばれて根づいたものと思われた。進むにつれポツポツと姿が確認できる。谷を詰めて、やがて峠近くの明るく緩い谷になると、期待していた鮮やかな色が目に飛び込んできた。
 今年も無事開花してくれたことにホッとする。種を蒔けば家でもよく発芽するものの、イネ科の植物がはびこってきたり、土が固くなると途端に姿を消したりする。これまでに、何箇所も激変した群生地を見てきた。なかなか微妙なバランスの上に成り立っていることを思うと、目にするまで安心できない花である。京都府内では準絶滅危惧種(2015年)になっており、以前のレッドデータからランクが下がった(2002年=絶滅危惧種)。現在では、とくに保護の手立てをとらなくても問題ないとの判断のようだ。鮮やかなピンクは、明るく花の5月にいちばん似合う色彩だと思う(2017.5.16)。
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