山荘や保養所が建ち並ぶ六甲山上には、これまであまり行くことがなかった。高山植物園もあるので、機会があれば一度ゆっくり歩いてみたいと思っていたのだが、チャンスはなかなか訪れない。冬季は休園・休館の施設も多く、その静けさを逆に生かしてハイキングを楽しもうと出かけた。名づけて「六甲山上の岩めぐり」。 はじめに有名な保塁岩(兜岩・御前岩)を訪ね、六甲の登山の足跡に想いを馳せる。東稜・中央稜・西稜で構成された岩場は、スッキリしたよいロケーションにあった。つづいて六甲山小学校から瓢箪池のそばを通ってオルゴールミュージアム前に出る。途中の道にはブナ(イヌブナ)が植えられていた。 大正時代に新たに彫られたという心経岩から、六甲比命大善神を経て雲ヶ岩(紫雲賀岩)・仰臥岩に登り返す。これら一連の岩は法道仙人ゆかりのもので、有野町唐櫃にある吉祥院多聞寺とかかわる修行の場である。雪道にもかかわらず一人の参拝者があり、入口には「多聞寺奥之院」の標識がつけられていた。翌日は、地震で崩れ面影がなくなった仙人窟(760m)にも立ち寄る。逢山峡から茶園谷に入り、シラケ谷から登るよい道がつづいていた(2017.3.16〜3.17)。 |