探山訪谷［Tanzan Report］

No.299【日帰り雪山登山】

『雪山を愉しむ』のカバー

草川啓三さんが新しい書籍を上梓された。書名は『雪山を愉しむ　関西からの日帰り雪山登山』。山スキーやスノーシュー・ワカンによる雪山のすばらしさを、自身のここ10年ほどの写真と記録で紹介されている。 　取り上げられた山の大半は滋賀県と隣接する府県の境界に位置するもので、無積雪期には登頂が困難なものもある。誌面には猫ヶ洞や三国岳・左千方、白山周辺の山など、かつて頻繁に出かけていた山域が載っていて嬉しい。スノーシューが普及して、雪山がたいへん身近になった。その他の装備類も進化して、若い頃の状況とは格段の違いがある。冬の山のハードルが低くなったのも事実である。しかし、驚きは草川さんがそれらの山へ今も山行を続けられていることだ。その情熱に敬意を抱くとともに、少しでも見習いたいと思う読後感である。折しも、若い方から雪山へのリクエストが出ているので、この冬は基本から始めてみよう。

→ナカニシヤ出版　（A5判・144ページ・並製・カバー装、2016年12月発行）

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