この春から夏にかけて、登山講座は滋賀県北部の山に集中している。5月は寒風から大谷山で春の花を満喫したし、6月はもう少し東のエリアで何回か計画中だ。今回は長浜市余呉町にある大黒山と鯉谷である。長い間この山域に出かけることはなかったものの、ブナ林の美しさは変わらないだろうと考え椿坂峠から入山した。 バイパスが完成して旧道は通行できず変更を余儀なくされたが、峠でまず驚いたのは、取付から山頂近くの860m地点までモノレールが設置されたことである。これまでの山道がルートになっており、アスレチックさながらに線路を跨いだり潜ったりしなくてはならない。なんとも気分をそがれる一時間だった。用途は送電線の工事用で、この日も東尾根の鉄塔に何人もの姿があった。資材はヘリによる上空からの搬送で、モノレールは人の輸送用とのこと。 救いは、ブナの美しさと白や青味の花があちこち見られたことだ。上の写真以外にギンリョウソウ・ハンショウヅル・ヤマツツジなどが咲き、サルの群れにも出くわした。鯉谷近くの巡視路からは、高時川源流域の山々を望むこともでき、残雪期を中心に歩き回った山行をあれこれ振り返るひとときが持てた(2016.6.4)。 |