六甲を登るアドバンス・シリーズの最終回で「六甲アルプス」に行ってきた。先月の山羊戸渡につぐ岩尾根歩きである。当日は春本番のような暖かさで、今冬もアイゼンの出番はなかった。 神戸電鉄の大池駅からアプローチをはかり、ちょうどウォーミングアップができた頃に取付地点に着いた。尾根に出るまでは大岩の間の急斜面にルートをとるが、なかなか苦しい登りだ。ヤセ尾根に出ると、何箇所も眺望のよい場所が現われて休憩しながら進む。大岩の間にあるギャップを慎重にこなし、最後のフィックスロープのある下降ではスリングをセットした。参加者の皆さんもスムーズな動きができて、テクニックもアップしているように思われた。 「六甲アルプス」は、1933年発行の『六甲』(著者=竹中靖一、発行=朋文堂)に紹介されている(復刻版=神戸:中央出版社、1976年)。1941年発行の『新版 近畿の山と谷』(著者=住友山岳會 大島堅造、発行=朋文堂)では、本文で「トウギョウジ尾根」を「六甲アルプス」としているものの、図版は現在の地獄谷東尾根を示している。いずれにせよ、「一部の『六甲マニア』がそう呼んでいるだけ」(『山と溪谷』2016.3 No.971、P.107)ではなく、昭和初期から使われている尾根を表わす固有名詞(地名)と認識したい。
その後、ノースロードからダイヤモンドポイントを経て六甲山牧場まで行き解散する。受講生の要望に応えたものだが、722mあるゴールデンポイントからの眺望はなかなかよかった(2016.3.5)。 |