以前から気になっていた山羊戸渡(やぎのとわたり)を確認しに行ってきた。戸を立て掛けたような幅の狭い尾根と、岩場や急斜面を上り下りする山羊を合わせた呼称だけに、どういう経緯で名付けられたのだろうか。地名も検証する必要がありそうだ*。2.5万の地形図にも記載され、興味を覚える方も多いに違いない。日本では扱いが比較的少ない「山羊」だけに興味をそそられる。 六甲川の上流に位置し、詰まった等高線で囲まれたエリアが目を引く。尾根の途中に顕著なピーク(ca510m・ca630m)があり、小さな岩峰とギャップが連続する尾根筋はなかなかおもしろい。距離=1km弱、標高差=250mと小規模ながら、岩場の基礎があれば楽しめるルートと言えよう。 *六甲山に詳しい方によると、H. E. ドーントが発行する“INAKA”〔Vol. 6 1917(大正6)年 東洋廣告取次會社印刷部〕にGOATS’RIDGEが写真とともに記載されているようだ。やはり、西洋由来の地名ということだろう。いちど神戸市文書館で閲覧したいと思う。ちなみに、『近畿の山と谷』〔1932(昭和7)年 住友山岳會〕では天狗塚との関連でふれられ、谷筋のルートが図版に載っている。 |