探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.20【四川大地震〔四姑娘山・日隆(Si Gu Niang Shan/ Ri Long)の状況〕】
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5月13日
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 地震が起きた翌朝、避難したテント場で不安な表情を見せる村人たち(© Kenzo Okawa)
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父娘
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 命が助かったので、壊れた家の前で比較的明るい表情を見せる父娘と従姉妹たち(© Kenzo Okawa)
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テレビ
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 14日、家屋からテレビを運び出し、自家用発電機につないでニュースに見入る村人(© Kenzo Okawa)
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住宅
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 被害を受けた伝統的な石造りの住宅(© Kenzo Okawa)
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 5月12日に起きた四川大地震は、これまでとは桁違いの大きさと深刻な被害をもたらしています。被災地域も広く(日本でいえば北海道ほどの範囲)、峻険な山岳地帯だけに、今もその全体像は掴めていないようです。四川盆地の北西縁は横断山脈の東端にあたり、南西から北東に延びる竜門山断層帯が走っています。震源地のウェンチュアン〔ぶん(「さんずい」に旁は「文」)川(せん)=Wen Chuan〕から西は、少数民族のチャン族やギャロン(チベット)族が暮らす地域で、石造りの家屋〔せきちょう様式=石ちょう(「石」偏に旁は「周」)〕が点在する景観には独特のものがあります。

 四姑娘山の西に位置する、日隆(Ri Long)の地震直後の画像が届きました。写真は、「四姑娘山自然保護区管理局」の大川健三さんが撮影し送ってこられたものです。成都(Cheng Du)からパンダの繁殖保護研究施設がある臥龍(Wo Long)を通り、巴郎山(Ba Lang Shan)の峠を越えたところにある村です。震源からは直線距離で100km余りの距離ですが、断層とは直角方向にあるため、人的被害はなかったようです。しかし、家屋や生活基盤は多大な影響を受けています。

 これからは雨季になるため、土石流や洪水など新たな被害が出る危険も指摘されています。また、被害にあった人口も全体では数百万人を数え、健康の維持や暮らしを守る支援が強く求められています。赤十字や四川省へ進出している企業だけでなく、民間でも支援の動きが出てきました。復興を願う皆さんのご協力を、ぜひお願いします。〈2008年5月25日〉

 5月18日に配信された共同通信の記事
 震源60キロに日本人写真家 落石が車直撃、危機一髪
 【成都18日共同】中国・四川大地震の震源地から西約60キロ、高山植物の名所として知られる四姑娘山近くで、震災を体験した日本人がいることが18日、分かった。写真家大川健三さん(58)で、仕事先に向かう車を落石が直撃したが、無傷だった。共同通信の電話取材に応じた。
 大川さんは同山のふもと、四川省小金県日隆在住。地元の自然保護区管理局の顧問として動植物や風景を撮影し記録する仕事をしている。
 12日の地震当日、山すそを車で移動中だった。「急斜面から子どもの頭ぐらいの石がごろごろと落ちてきた。揺れに気付かず、何が何だか分からなかった」
 「ガツン」。落石が車に当たったが、助手席の窓と車体フレームだったので、けがはなかった。落石を避けるため車を止め、生い茂った木の中に逃げ込み、振り向くと大規模な土砂崩れでもうもうとした土煙。初めて「怖い」と感じた。現在は、震源地から西に約150キロの丹巴に避難中だ。
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