屋久島が世界自然遺産に登録されて、今年(2013年)で20年がたった。人々の関心と人気は依然として高く、縄文杉への道が長蛇の列になることも珍しくない。現地のガイドは数百人の規模になるらしく、地元の経済や社会に大きな影響を与えている。 前回行ったのはそれより前なのでかなり昔のことだが、山容や樹林の印象は今も鮮明に覚えている。この秋に行く機会ができたので、時代の変化も興味があった。あれこれプランを練って人の少ない時期を選び、見どころをできるだけ繋ぐ日程にした。現役世代が中心なので、もちろん休暇の取りやすさも考慮した。 黒味岳・宮之浦岳・永田岳に登頂し、白谷雲水峡へ3日の行程である。ねらいどおり山小屋での混雑はなく、静かな山稜を歩くことができた。いっぽう、森林鉄道の軌道で出合った縄文杉のガイドツアーは100人を超え、太鼓岩からの下山で出合った人々を合わせると200数十人になった。 規制がなされているからだろう、登山道や植生はそれなりに維持されている印象を受けたが、携帯トイレサイトの設置など人を受け入れる環境整備と仕組みには課題があるように思われた。 再訪で強く感じたのは、白谷雲水峡周辺の樹林のすばらしさである。ヤクスギをはじめとする自然美は、他所ではちょっとないだろう。同行メンバーの評価もたいへん高かった。 |