数十年ぶりで穂高連峰へ行く機会ができた。普段は近郊の山ばかり登っているが、一年に一回ぐらいは遠出して、スケールのある山に登るという山歩き講座の企画。泊りがけの山行は初めてというメンバーも多い。参加者の充実感や達成感を考えて、西穂高岳を選んだ。独標ではなく主峰まで行くとなると基礎技術はやはり必要。そこで、岩稜歩きの講習を事前に行ない、三点確保(支持)と最低限のセルフレスキューを学んだ。 登頂日。2800mを超えると稜線は風雨とガスに覆われたものの、ピークを全員で踏むことができ、満足の笑顔で帰途についた。 ハイシーズンなので、コースでは多くの登山者と出合った。統率のとれた団体は傍から見ても問題ないが、そうでない人の中には、岩場を飛び跳ねるように歩いたり、切れ落ちた斜面でもストックを使うなど、自分の安全をどう考えているのか疑う行動が目についた。多くがこうした歩き方である。毎年、独標・8峰(ピラミッドピーク)・主峰などで転倒や滑落が発生しているのも当然の結果だろう。ただ、こうした縦走路でもヘルメットを着用するパーティがあり、装備や行動に変化があることも見て取れた(山小屋でのレンタルも可能)。そして、もうひとつの大きな違いは、一人用テントが主流だということ。だから、テント指定地のスペースが足らなくなるはずである。現在の北アルプス登山事情を、少し理解できた山行だった。 以下、登山道で見た8月初めの花たち。 |