探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.120【老ノ坂を探る】
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 左=峠の北側に立つ「山城國/丹波國 境目」の標石(/は並列)  右=峠の南側に残る標石(文字は判読不能)
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 国道9号の老ノ坂トンネル(左)と旧トンネル(右=自転車・人道)
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 左=首塚大明神(神木のスギが大きい)  右=幕末〜明治時代初期と思われる国境標石
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 大江山の酒呑童子の鬼伝説が大枝山・老ノ坂にもあって、歴史や伝承が同じように残っている。片や丹後と丹波の境、こちらは丹波と山城の境である。
 以前、日本山岳会京都支部が「城丹国境を歩く」として実施した山行報告に、老ノ坂の国境標石が取り上げられていた。発見時は「全員感激して歓声をあげ」と記載され、一度この目で確認したかった。旧峠の近くに立つ「從是東山城國」の標石は首塚大明神の社前にあり、こちらは以前からよく知られている。
 まず峠の北側にある標石を確認して写真に納め、つづいて南側の尾根を探した。境界尾根を歩くと大きな石が見つかった。残念ながら、表面は磨耗して文字は読み取れなかったが、北側と同じ形態で対になっているようにも思われる。大きさや質感、それに北側の刻まれた文字から判断して、江戸時代後期という印象を持った。
 京都と日本海側を結ぶ山陰道。古い交通の歴史を有するが、大枝山と老ノ坂に関してはいまだに判らないことが多い。
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