札幌は石狩平野に開けた街である。だが、豊平川流域を中心として数多くの峰が連なり、山との結びつきが濃い都市でもある。市の南西部には市民に親しまれる藻岩山(531.0m)があり、スキー場やロープウェイ、観光自動車道路などが造られ、観光地ともなっている。中央区の市街地に隣接する区域には、天然記念物に指定されている原始林があり、カツラやオニグルミなどが生い茂る広葉樹の林が広がっている。
かつては「インカル‐ウシ‐ぺッ」と呼ばれていた藻岩山だが、北側にある「モ‐イワ」〔小さい山=円山(225.4m)〕と混同されて付いたといわれている。さらに北西側には、一等三角点の置かれる三角山(311.1m)があり、大倉山のシャンツェも近い。
観音寺から登る道には三十三体の石仏が次々と現れ、「毎日登山」の人たちで賑わっていた。そのほか、旭山公園・藻岩山スキー場・小林峠などからのルートも通じ、手軽に自然と向き合うことができる。環境は違うものの、身近に山を楽しめるという点で京都と似ている。円山は、円山公園や動物園のほか、南側の双子山から岩場のある急峻な尾根を登ることもできる。札幌へ行く機会があれば、ぜひ訪れたい山々だ。 |