神峰(かんのみね)山は大崎上島(広島県)の最高峰で、山上に石鎚神社分社や薬師堂が祀られる信仰の山である。 大三島(愛媛県)の宗方(むなかた)港からフェリーがあるので、木江(きのえ)港(天満港)に渡ってピークをめざす。帰路をあれこれ考えたが、島内と竹原市への交通がスムーズにいかないので、往路を戻ることにした。 船便の関係から、島での滞在時間が3時間しかないので、標準のコースタイムどおりに行動しなければならない。山頂付近に三ヶ所ある展望台にも立ち寄りたいので、行動力が必要だ。 木江は風待ち・潮待ち港として、また造船で栄えた町である。天満の古い町並みに往時の面影が残る。金剛寺の入口にある登山口から急坂を登り、折り返しながら進むと傾斜が緩くなってベンチが置かれていた。木江の町が眼下にあり、大三島や生口(いくち)島が姿を現す。 斜度が再び強まり、やがて石鎚神社分社の鳥居前に登り着いた。まず山頂に向かい、第二展望台を経て三角点がある薬師堂と鐘楼が建つ広場に出る。南側に廻れば大崎下島や呉市方面が俯瞰できる。風が強いので、樹林帯に入って昼食の休憩をとった。食後は西側から上がってくる道路の駐車場まで行き、今度は北側の風景を眺める。忠海(ただのうみ)の黒滝山が姿を見せていた。 すぐに引き返し、フェリーの時刻を勘案しながら木江港へ帰る。金剛寺からは「かもめ館」の連絡橋と螺旋階段で道路に出た。近くには、改修記念碑や遭難供養碑が立つ(2025.12.7)。 |