近江八幡市街の背後にある八幡山は日牟禮(ひむれ)八幡宮にちなむ山名で、鶴が翼を広げたような山稜から鶴翼(かくよく)山とも呼ばれる。地域の魅力を発信する活動が功を奏し、身近な里山として人気がある。 久しぶりに百々(もも)神社から日牟禮八幡宮へ縦走した。最近では、展望台や城跡の整備が進み、この地域の歴史的景観と物語に想いを馳せることができるようになった。 途中に何箇所も設けられた展望ポイントでは、近くの水郷から琵琶湖周辺の山々まで眺めることができ、山中・山麓の紅葉とともにこの時期らしい光景に声を上げながら進む。望西峰(ぼうせいほう=岩崎山)を過ぎると急坂になって、打越ノ峠に降りる。ヴォーリズ記念病院へ下る道が左(東)に分岐する。 登り返した平坦地が北之庄城址で、七ツ池の凹地を中心として数ヶ所ある櫓台跡や堀切・曲輪跡などに標識が設置されていた。時間があるので、大手道などを周回する。 北ノ丸址の石垣を回り込むと三角点のある広場で、観光客の姿が急に増えた。説明板には、かつての三角点は羽柴秀次が築城した八幡山城本丸址(最高地点)にあった。村雲御所の移築後は二ノ丸址へ移り、再びここへ移設されたという。その後は、西ノ丸址と二ノ丸址でも展望を楽しむ。ただ、黄砂の影響か午後になってから空気が埃っぽい。 ロープウェーに沿った尾根を降りると鮮やかな紅葉に包まれ、日牟禮八幡宮の社殿背後から境内に降り立った(2025.12.1)。 |