探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.1066【雲ノ平と高天原】
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左=補修された登山道(標高1,950m付近)  右=太郎兵衛平へ向かう尾根
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五光岩
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雲ノ平(中景中央右)を望む(太郎兵衛平から)
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左=薬師沢出合(吊橋が架かるのは黒部川本流)  右=大東新道分岐の道標
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三俣蓮華岳(中景左手)の彼方に北鎌尾根(遠景左)と双六岳(遠景中央)が見える(最遠景右手は抜戸岳)
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アラスカ庭園から望む薬師岳の山稜
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奥大日岳(最遠景左手)・龍王岳(最遠景右手)・立山(右側の最高峰は大汝山)。手前を越中沢岳(中央)の稜線が横切る
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奥日本庭園から見た黒部五郎岳(遠景中央右)
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雲ノ平山荘付近(祖母岳への道から)。遠景は水晶岳の山稜
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左=水晶岳  右=2,576mに設置された雨量計
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左=奥スイス庭園から望む赤牛岳(中景)。遠景左手は立山連峰  右=高天原峠への道
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左=黒部川を見下ろす  右=高天原温泉
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竜晶池
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夢ノ平(遠景は薬師岳東南尾根と背後中央に薬師岳)
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左=高天原山荘  右=干上がった水晶池
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左=岩苔乗越(左は水晶岳)  右=「黒部川水源地」標近くの分岐(上流は祖父岳の稜線)
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三俣山荘で見られた環水平アーク(左は槍ヶ岳。中央は樅沢岳の稜線)
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三俣蓮華岳
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双六小屋から望む鷲羽岳(中景左手)・野口五郎岳(中央)
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唐沢岳(最遠景左手)・餓鬼岳(中央)と燕岳(右手)の山なみ(中景左は南真砂岳の山稜)
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双六池と抜戸岳(遠景左手)・笠ヶ岳(最遠景中央)
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鏡平から望む槍ヶ岳・大喰岳・中岳・南岳(左から)
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左=秩父沢  右=蒲田川左俣
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新穂高温泉への林道(わさび平小屋付近)
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 北アルプスの最奥部に位置する雲ノ平は、誰しも一度は訪れたいエリアであろう。『山旅倶楽部』に要望が寄せられており、3泊4日で実施した。せっかくなので、高天原(たかまがはら)の温泉にも立ち寄る。
 参加者の体力などから判断して、以下のような計画にした。折立(おりたて)より入山して薬師沢小屋で1泊。次の日は、雲ノ平から高天原峠へ下って高天原山荘で宿泊する。3日目に岩苔乗越(いわごけのっこし)から黒部川源流を経て三俣山荘に登り返し、双六岳の巻道で双六小屋へ。4日目は鏡平から小池新道を新穂高温泉へ下山したのち高山市街に向かう予定。
 折立から太郎兵衛平(たろうべえだいら)へは、最初は急坂がつづくものの、三等三角点(点名=青渕)を過ぎると徐々に周囲の景色が広がって気分も晴れる。広くなだらかな尾根は、踏み荒らしや水害で荒廃し各所で補修がなされていた。太郎平小屋の前で昼食を取り、午後は薬師沢に沿って降る。カベッケヶ原一帯は多くの花を見ることができた。
 黒部川本流を吊橋で渡ると雲ノ平へ標高差450mの急登。アラスカ庭園・奥日本庭園・祖母(ばあ)岳・アルプス庭園で広い溶岩台地を感じる。東側には火山の祖父(じい)岳がある。雲ノ平山荘からひと登りして、電波塔が建つ2,576m標高点で周囲の景観を眺めた。傍に「立山地区 測水所及び観測施設」の銘板があった。
 大きな岩塊が積み重なる奥スイス庭園を経て、連続するハシゴを通過すると高天原峠に出た。薬師沢小屋から黒部川右岸につづく大東新道が合流する。かつて利用したことがあり、けっこう時間を費やした記憶がある。この道は、モリブデンを採掘する大東興業が1960年代に開いたものだが、鉱山の稼働は長くつづかなかった。
 高天原の湿地帯と温泉を通って夢ノ平まで行ったものの、かつての高天原新道(高天原〜東沢出合をつなぐ黒部川右岸の道)の痕跡は残っていなかった。温泉沢左岸に露天風呂があり、右岸(2ヶ所)には囲いのある湯槽が設けられている。以前は右岸を少し登った水流の側で入湯したように思う。
 岩苔小谷に沿った道を水晶池に向かい、明るく開けた上流を岩苔乗越に登る。朝が早いので、すばらしい青空が展開していた。黒部川側へ降ると、行く手の大岩の向こうをクマが左から右へ横断したらしい。メンバーの後半と後ろの単独行の方が大声で叫んでいる。前の3人はまったく気づかずに進んでいた。動物の臭いは感じない。その後は、ハイマツに遮られたり先が見通せない屈曲点では大声を発して降る。
 三俣山荘へ登り返し、小屋の前でしばし休憩した。ここまで来れば、先が読めるので気持ちも楽になる。ちょうど、環水平アークが見られた。三俣蓮華岳のピーク手前から巻道で双六小屋に向かうが、この付近でもクマが目撃されたらしい。そこそこの頻度で登山者が歩くため心配せずに進む。
 最終日は、新穂高温泉へ午後早めに着きたい。鏡平の池で「逆さ槍」を目に焼き付け、流された橋の復旧作業をされる方々に感謝しながら秩父沢を渡る。すぐに、風穴があって涼しい空気が感じられた。歩きやすい石畳道を降って左俣林道に出る。わさび平小屋で涼み、ロープウェイ駅近くの温泉に入って山行を終了。全員満足の、好天がつづいた4日間だった(2025.8.21〜8.24)。
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