最近のムーブメントでいえば、 “Zine” (Magazine)の範疇に入る刊行物(冊子)だろうか。『森のしずく』も第5号(No.5)になった。 発行者の草川啓三さん(工房 森のしずく)から声を掛けていただき、踏査を継続している大峯奥駈道について課題を整理してみる。特集「山越えの道に積み重なった 暮らし・祈り・戦の記憶」用の原稿だが、どこまで突き詰められるかは今後の時間次第。元気で活動できることを願っている。 森沢義信氏が、2006年に著された『大峯奥駈道七十五靡』(ナカニシヤ出版)の制作に携わって、奥駈道の奥深さに興味と関心を抱いた。 それまで、大峰山脈の山と谷はフィールドのひとつだったが、日本の精神世界を象徴するような分野と歴史は、詳しく知らないまま過ごしてきた。 刊行後は、意識して山中をトレースしているものの、不明な事ばかりが増えて先を見通せない状況がつづく。わからなければ、まず上掲書を開いて確認し次の手立てを考える。紀伊半島の中央に位置する大峯山は深く広大だ。掲載していただいたお蔭で、未解明な要素が明確になった。これからも、大峯通いはつづく。
特集のその他の内容は次のとおり。問い合わせは、工房 森のしずく(〒525-0066 滋賀県草津市矢橋町1475)まで。 「北畠氏をめぐる峠道」(海老原睦治)/「石仏をめぐる峠歩き」(草川啓三)/「近江坂古道と能登郷の謎」(酒井敏行) |