岩間山は西国三十三所観音巡礼第十二番札所の正法(しょうほう)寺が山上にあることで知られる。山頂に鉄塔が建つので、周辺からは目標となりやすい。これまでに巡礼道などを利用して何度も訪れたが、今回は寺院の参拝を省いて山を一周する。 石山(大津市)の中千町(なかせんちょう)を出発し、千丈川の左岸を遡って嘉永元(1848)年の洪水で溺死した6名の供養塔に達した。伏見区(京都市)との境界近くから『東海自然歩道』で奥宮神社をめざす。支谷の奥から東斜面をトラバースして車道に出る。途中の露岩はきれいな褶曲を描いていた。 北側の鳥居を潜って参拝し、南側の展望所を経て山頂に向かう。鉄塔の建つ横から一段上がると平坦な広場に着いた。中央には、高い台座に乗った石像が寺院の方向を見下ろしている。いわれは不明だが、岩間寺の開山は泰澄とされるため関係があるのかもしれない。 昼食ののち東笠取(宇治市)へ降り、稱名寺がある谷ノ奥から川に沿って再び大津市(石山内畑町)へ。巡礼道の分岐には石仏が安置され、南側からの参詣道では分岐に石造道標が残っていた。桜峠へ向かう道路からは、近くの袴腰山や鷲峰山を望むことができる。国分川を渡って南郷の住宅地まで歩いて解散。各所で夏の花に出会うことができた(2025.5.12)。 |