春の花を求めて、小塩(おしお)山から大暑(おおしょ)山を歩いてきた。芽吹きの季節を迎え、山麓の大原野神社や正法(しょうぼう)寺一帯は淡い緑色に染まっている。南春日町から、まず大原野神社に向かう。本殿の前では、緑色のサクラ「御衣黄(ぎょいこう)」を見ることができた。開花から時間が経っているのか、花の中心は赤く変色している。 小塩山の山頂にある淳和(じゅんな)天皇陵へつづく参陵道(天皇陵道)を登ると、眼下に向日市から長岡京市にかけての景観が広がる。金蔵(こんぞう)寺への道を左に分けると、尾根道はヤブツバキとコバノミツバツツジが交互に咲いていた。車道を横断し、もう一段上へ登って山頂に達する。 淳和天皇は桓武天皇の第三皇子で、山麓で火葬し大原野に散骨された。江戸時代になってから御陵が築かれたという。その北側斜面にカタクリの群生地があり、谷の源頭を一周する(「御陵の谷」)。『西山自然保護ネットワーク』の方々にあいさつし、2班に分けて「Nの谷」「炭の谷」もそれぞれ入域する。コナラなどの落葉広葉樹の林床には、スミレやニリンソウなどが綺麗な花を付けていた。 勝持(しょうじ)寺(花の寺)へ下る道を右に分け稜線を進む。ギフチョウの産卵地・食草があるエリアはネットで保護されている。再びツツジの鮮やかな色が目立ってくると、ほどなく大暑山である。西山団地への道を外れて往復する。グラウンドから届く声を聞きながら、植林地を降ると下部は竹林に変わった。京都盆地を眺めながら、北春日町から洛西高校まで行って解散する(2025.4.20)。 |