綾部市の南西部に、高嶽を最高峰として甲(こう)ヶ岳・四尾(よつお)山などが並んでいる。南側は福知山市に接する。丹波・丹後の景色を眺めようと、天気のよい日に出かけた。コースは、「綾部」駅を出て南ヶ丘公園から四尾山に登り、中筋(地区)の市街地へいったん下山したのち甲ヶ岳から高嶽へ向けて馬蹄形に縦走。北側の高津へ下る計画にした。 南ヶ丘公園は1896(明治29)年に設立の「郡是製絲」(現=「グンゼ」)の社有地に造られた公園で、創業者=波多野鶴吉の銅像・記念碑が立つ。高台にあるため市内の展望がよい。尾根の末端に寺山があり、『綾部トレイル』が整備され市民に親しまれている。四尾山の山頂からは、さらに展望がよくなって大江山連峰も見えるようになった。 西側へ降って安場川を渡り、慈音禪寺に寄ってから甲ヶ岳をめざす。大島町の薬師堂から取り付き、秋葉神社の参道を登る。この道は山頂一帯に造られた城址へのルートでもあり、道幅のあるよく踏まれたものだった。山城は内藤宗勝(丹波・守護代)による築城とされ、400年以上前のものである。曲輪や堀切が残る。次のピークに秋葉神社が祀られ、大きなウラジロノキがあった。 鳥ヶ坪山から高嶽につながる稜線に向けて、尾根を進むと踏み跡がなくなった。広い尾根では流水溝が何本も走ってルートの選択が難しい。アップダウンを繰り返すと、やがて鮮やかなコバノミツバツツジが周囲を飾って美しい景観がつづく。途中から松茸山の標識が現れ歩きやすくなった。歩く人が少ないのは、入山が制限されるためだろうか。鳥ヶ坪山の西側にあるピークで稜線と合流する。 秋葉神社のある「秋葉山」(316m)への分岐から反射板が建つ374m標高点を越えると、コナラやエドヒガンの巨樹が目立つ。雰囲気のよい樹林がつづいて高嶽に登り着いた。北側には三岳山から青葉山まで、丹後の山々がスカイラインを描く。どの山々もゆったりとした山容で伸びやかだ。 福知山市の石原(いさ)へ下る道を左に分けると、高津に向けて道は北へ方向を変えた。福知山から兵庫県にかけての山々は灌木に閉ざされ明確でない。尾根から折り返すようにS字を描き、山腹を進むと再び尾根に出て高津の集落へ降り立った。荒尾神社のケヤキの大木を見て「高津」駅に向かう。誰一人会わない1日だった(2025.4.17)。 |