神吉(かみよし=南丹市八木町)は標高600m〜400m級の山に囲まれる350mの高原で、亀岡盆地が霧に覆われるときも晴天の場合が多い。神吉盆地の西側に連なる山稜が川霧の流入を防いでいる。これまでに三頭(みつづこ)山や紅葉山などを訪れ、ぜひ冬枯れの季節に出かけようと思っていた。 「どんどん橋」バス停から阿祇園(あぎおん)寺(山号=氷室山)の前を通って星峠に登り、尾根を忠実に辿って鎌ヶ岳へ登頂。下半の植林地を抜けると、マツ林が広がって丹波の里山らしい光景だ。途中に四等三角点が埋設されていた。下山は送電線の巡視路を利用する。 和田まで移動して、次は渋坂峠に向かう。登り口一帯が伐採作業中で、ぬかるんだ道を避けて支尾根を登った。峠の上部に日当たりのよい墓地がある。尾根筋では倒木と雑木に阻まれるところが数箇所あったものの、さほど苦労せず龍王ヶ岳の山頂に着くことができた。樹木の間からは南西側の山々が姿を現す。奥田池の西側へ下る尾根道を使い、林道が見えた地点から溜池の畔に出た。農道の工事をしていたので、フェンスのゲートを開け閉めしながら畑地を神吉上に向かう。 神留(じんりゅう)寺(山号=千歳山)と民家の間を山手に進むと、両丹八十八ヶ所霊場・第十八番の地蔵堂(四國八十八ヶ所御土納所)が建つ。横から斜面を登り、地形図に記載された道へ出た。倒木を避けながら広い尾根を北へ向かう。なだらかになると千歳山の三角点があって、その先の広場が最高地点だった。かつて通信施設があったのか、フェンスに囲まれた敷地と境界標石を目にする。 時間があるので、下山したあと集落の旧道を日吉神社まで歩く。レトロな旧神吉村役場の建物は診療所として使われ、敷地の入口には道路元標が置かれていた。「口丹」の風景に浸る一日だった(2025.3.14)。 |