探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.1021【[神島]灯明山】
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左=神島港から八代神社に向かう  右=洗濯場
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左=八代神社  右=対面する狛犬
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伊良湖水道を挟んで渥美半島が近い
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神島灯台
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左=灯明山  右=監的哨跡と「陸軍用地」の標石
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監的哨跡から眺める弁天岬(前景)と志摩半島(遠景)
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カルスト地形
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石灰岩
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層状チャートの岩壁
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菅島(遠景中央)
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八畳岩
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八畳岩から望む菅島(遠景左手)・答志島(遠景中央右)・大築海島・小築海島(遠景右)
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古里ノ浜
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左=無縁墓〔「皇子の古墳」(?)〕  右=題目石
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左=鏡石  右=元中学校の門柱
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左=桂光院から集落を見下ろす  右=井戸を中心に家々が建ち並ぶ
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左=細い通路で繋がる斜面の家屋  右=寺田家住宅
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 船便の都合で鳥羽から神島へ先に渡り、最終便で菅島へ移動して宿泊する計画だった。直前になって、2日目の天気があまり芳しくない予報となり、神島と菅島を入れ替える。そのため、時間のロスが出てそれぞれ往復することになった。
 答志島の和具を経て神島に着いたのは午前11時20分。スタートが遅くなったものの、小さな島なので問題なく一周できるだろう。なにより、この島は『潮騒』(三島由紀夫)の舞台として有名だ。人々の暮らしを背景に、若い二人を描いた純愛小説である。これまでに5回も映画化されたという。各所に当時の写真が掲示してあった。
 港から、家々の間を縫う狭い道で洗濯場の横を通り八代(やつしろ)神社に向かう。石段を登り切ると新しい社殿が灯明山の中腹にあった。海の神(綿津見命=わたつみのみこと)らしく、鯛を持つ恵比寿様などの絵馬が掲げてある。
 コンクリートの階段を東へ進むと神島灯台に達した。自家発電による電気灯(タングステン電球)を採用したと記してある〔明治43(1910)年竣工〕。伊良湖水道を間に渥美半島が近い。折り返すように西へ登ると灯明山に登り着く。木々が生い茂って眺望は得られない。階段がつづく尾根を降ると、断崖の上に建つ監的哨跡と出合う。弁天岬を望むデッキや東屋があって、ゆっくり休憩できた。今朝まで降っていた雨の影響からか、まだ雲が多くてときおり日射しが感じられるに過ぎない。
 階段をさらに降ると、とつぜん石灰岩の岩壁とチャートに覆われた浜辺の風景が目に入る。ワニの浜に降りて振り返ると、高く聳えるカルスト地形が見事だ。ここは、アサギマダラとサシバの渡りの観察地になっているらしい。アゼトウナの黄色い花がかろうじて見られた。遭難者の供養塚(「皇子の古墳」とする見解もある)と題目石の先で、神島小中学校へ通じる道路に出た。左手は祝ヶ浜から古里(ごり)ノ浜がつづき、マツが茂る八畳岩がすぐ傍にある。昨日の菅島が大きい。
 油を塗って鏡にしたと伝わる鏡石と、元中学校の門柱を見て集落に戻った。迷路のような通路でつながる家々に囲まれ、井戸が各所にある。案内図に「おたつ上臈(じょうろう)の井戸」があるものの、現地では判明しなかった。出航時刻が近づいたので、三島由紀夫が滞在した寺田家住宅を確認して終える。
 私にとって、島の自然と造形が何よりの魅力で、カルスト地形や海浜の風景が印象に残る島旅だった(2025.2.2)。
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アゼトウナ
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左=ハイアワユキセンダングサ(?)  右=アシタバ
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